任意での債権回収

債権回収を弁護士に依頼した場合、裁判所で訴訟を起こすようなことまでせずとも解決するケースもあります。弁護士に依頼すると相手方との交渉は弁護士が行ないます。交渉や内容証明郵便での請求の結果、相手方が交渉に応じて支払いを行なう意思表示をした場合、支払い方法を決定します。金額にもよりますが、大抵の場合は一括払いが不可能で、分割払いを希望してきます。一括にしても分割にしても、話し合いがまとまれば和解契約を交わすことになります。

決定した支払い方法は公正証書に記載します。書面には強制執行認諾文言といって、約束を守らなかった場合には、強制的な債権回収が決行されても異議はないという内容を盛り込みます。これにより、支払いを行なわなかった場合には裁判を行なうことなくすぐに強制的な債権回収を行なうことが可能になります。また、できるだけ担保を設定するようにもします。不動産に抵当権を設定する、連帯保証人を用意するなどして、自分以外の債権者より優先的に債権の回収が可能な状態にします。こうした任意の債権回収ではうまくいかない場合、はじめから任意での回収が困難と判断された場合には、強制的な債権回収の処置を講じることになります。

強制での債権回収

裁判の手続きを行ない、裁判所からの支払督促や判決書が相手方に届き、それで相手方が支払いに応じてくれると問題ありませんが、応じない場合には強制的な債権回収を行なう形になります。この強制的な債権回収手段のことは強制執行といいます。

強制執行が可能な財産としては、不動産、動産、債権の3種類があります。不動産は建物や土地、動産は不動産以外の時計や宝石などの物、債権は相手方が別の人に対して持っている請求権のことです。債権は少しわかりにくいかもしれませんが、たとえば強制執行をする相手方が別の人にアパートを貸している場合、アパートを借りている人が支払う家賃を相手方ではなく自分に支払うようにするというものです。なお、強制執行によって差し押さえられるものとして多いのは、給料や預貯金口座です。

任意での債権回収と上記のような強制的な債権回収では、弁護士費用に差があります。内容証明郵便を送付して交渉を行なう場合には、着手金だけで安くても50,000円ほどはかかります。また、裁判所での手続きを行なうようなケースでは、着手金では100,000円ほどかかります。そのほかに成功報酬が回収に成功した金額に応じてかかります。相談料は無料のところが多く、回収額が弁護士費用を下回った場合、下回った分の費用を取らないような良心的な法律事務所もあります。

債権回収の相談先

売掛金や貸付金、家賃などの回収をしたいものの、請求書を送付しても支払いが行なわれない、直接相手方のところに訪問しても支払いに応じてくれない、話し合いに応じてくれない、まったく連絡が取れなくなってしまったなど、未回収になってしまうトラブルは日常的に起こっています。未回収の債権が発生した場合に注意したいのが消滅時効です。

貸付金等の債権(通常の債権)は10年、商行為で発生した債権(商事債権)や利息・地代・家賃・毎期の年金・扶助料等(定期給付債権)は5年、宿泊日や飲食費などの債権(その他の短期消滅時効にかかる債権)は1年といった具合に、債権の種類別に時効が成立するまでの期間は法律で決まっています。時効が成立するまでの期間中に訴訟を起こすなどの行動に出なければ時効は中断せず、期間完了後に請求を行なうことは不可能になってしまいます。そのため、未回収の債権でお悩みで、今後の自力での回収が困難と思われる場合には、できるだけ早く弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談し、回収を依頼することにより、債務者との交渉や調停、裁判の手続きなどを弁護士が代行してくれます。自力で債権回収をする場合にかかる手間、精神的な負担が軽くなるというメリットがあり、自分は自分のやるべきことに集中することが可能です。弁護士費用はかかりますが、回収した金額を成功報酬にあてるようなこともできます。当サイトでは弁護士に依頼した場合、どういう債権回収の処置がとられるのかを解説させていただきますので、参考情報としてお役立ていただければ幸いです。